2025年12月9日(火)、札幌グランドホテルにて開催された
北海道経済同友会「第1回 北海道デジタル推進委員会」 に、弊社代表 小坂武史 が講演者として登壇いたしました。
当委員会は、北海道内企業のデジタルトランスフォーメーション推進に向けて発足した新しい取り組みであり、今期第一回目となる今回は「未来に向けた地域企業のAI導入と活用」をテーマに議論が行われました。

講演テーマ
「未来に向けた地域企業のAI導入と活用」
小坂からは、AIが急速に進化する今、地域企業がどのように向き合い、どこから始めればよいのかについて、事例とともにお話ししました。
講演で取り上げた主なポイント
1. “不完全なデータでも価値が出せる” 時代へ
従来DXでは「きれいなデータを大量に整備すること」が前提でした。
しかし現在のAIは、不完全で雑多なデータでも、量と運用によって十分に価値を生み出せる点を強調しました。(例:施工計画書の自動構造化、競合分析の高速化など)

2. AIは“優秀な新人社員”として育てるもの
部署ごとにバラバラにAIを導入すると、判断基準が異なり社内混乱につながる可能性があります。AIは「まだ会社を理解していない新人社員」と捉え、共通ルールと教育を行うことが重要だと提示しました。

3. 業務効率化のインパクトは “10倍から100倍” に
講演では、実際の企業事例を紹介。
- PDF入札資料 → AIにより「1分」で構造化
- 競合サイト30社 → 自動クロール・要約・エビデンス付きで一覧生成
- 営業のオンラインMTG → 自動で要点抽出し次アクションまで生成
これらは単なる作業削減に留まらず、
社員一人ひとりがより価値の高い業務へシフトできる環境づくりに直結します。

4. 導入のために必要な 3つの提案
- 経営層向けAIリテラシー研修(北大×IBH)
- 社員のAIリスキリングと社内活用サイクルづくり
- AIスポットコンサルティングによる伴走型支援
特に、「まずはPOCから始める重要性」「AI導入を“技術”ではなく“経営判断”と位置づけること」が参加者の皆様にとって大きなヒントとなったようです。
■ 川村教授(IBH 技術アドバイザー)による補足コメント
講演後には、北海道大学大学院・調和系工学研究室の 川村秀憲教授(委員会アドバイザー/弊社の技術顧問) からも補足コメントがありました。
主な内容:
- ここ数ヶ月だけでもAI能力が劇的に向上しており、プロの研究者レベルの分析すら短時間で可能になっている
- AIが進化する中で、産業構造の参入障壁が大きく変わりつつある
- 今後は「AIで誰でも作れる時代」になるため、人間が価値を発揮できる領域=“選ぶ力”と“責任を伴う意思決定” がより重要になる
といった、企業経営に直結する視点が語られました。
■ 講演者プロフィール
小坂 武史(株式会社Innovation BASE 北海道 代表取締役)
AT&T Jens、Digital Magic Labs、ティーケーラボ、イノベーションプラスを経て起業。
複数企業の新規事業創出・DX支援を行い、2023年にInnovation BASE 北海道を設立。
北海道大学の川村教授とともに、産学連携組織 AIIS(AI Innovationbase from Sapporo) や任意団体「川村研究所」の運営にも携わる。
■ 最後に
Innovation BASE 北海道では、企業・自治体・産学連携による AI/DXの実装支援 を通じて、北海道の未来を支える新しい価値創造を目指しています。
今後とも、地域企業の皆様とともにAI活用の可能性をさらに広げていく所存です。
北海道経済同友会の皆様、この度は貴重なご機会をいただき、誠にありがとうございました。

