川村研究所による生成AIの研究発表会
川村教授より生成AIの講演
2024年9月24日(火)、IKEUCHI GATE 4F IKEUCHI Labにて、「第4回 川村研究所 研究発表会・新秋会」を開催しました。川村教授の挨拶に続いて、『生成AIの最前線!!』をテーマに最新技術の講演が行われました。教授自らのお話で、会場全体が引き込まれ、研究発表会がスタートしました。
学生による生成AIのデモンストレーション
川村研究所の4名の学生が、個性豊かなAI技術を駆使したデモンストレーションを発表し、参加企業の方々から活発な質問が寄せられました。具体的な発表内容は、以下の通りです。
- 阿部 拓真さん(修士2年)
『寄り道先提案のためのデフォルメ路線図の紹介』
寄り道先を提案するためのデフォルメ路線図を活用したWebアプリケーションを紹介しました。発表では、札幌の鉄道網と都心部の観光地を例に取り上げ、ユーザが複数の寄り道先候補から一つを選択できる仕組みが示されました。
2. 冨澤 峻己さん(修士2年)
『大規模言語モデルを用いた俳句評価デモ』
AIによる俳句生成のデモが行われました。お題を入力すると、詠まれた俳句とその批評、さらに俳句を視覚的に表現した画像が生成されるというAI一茶くんの魅力が伝わりました。特に、参加者のリクエストで生成された初秋の一句では、会場が盛り上がりました。
3. 上前 諒輔(修士1年)
『大規模言語モデルを用いたマニュアル向け文章修正デモ』
テクニカルライティングに基づくマニュアル向け文章修正システムを発表しました。わかりにくい文章をわかりやすく修正する様子が具体的な事例を通じて示され、特に企業との共同研究の成果に参加者の興味が集まりました。
4. 古田 悠華(修士1年)
『画像生成モデルを用いたファッションビジュアライザー』
ファッションビジュアライザーを紹介し、ユーザの想像する衣服のデザインを可視化する方法を提案しました。デモでは、ユーザーが曖昧なイメージから服の画像を選び、追加の印象を選ぶことで、具体的な服の画像が生成されました。
以上、4名の学生からの発表が行われました。質疑応答では、企業の皆様からの積極的な質問に対し、学生たちも自身の研究を深く説明し、双方にとって非常に充実した時間となりました。
川村研究所 新秋会
参加企業による生成AIの活用事例
続いて行われた新秋会では、株式会社北海道銀行様や株式会社ニッセイコム様による講演があり、企業の取り組みや生成AIの活用事例を発表されました。発表後は質疑応答を学生たちと企業の交流が深まりました。立食形式でリラックスした雰囲気の中、参加者がカジュアルに話し合う姿が見られました。
スタートアップの成功事例と生成AI
最後のパネルディスカッションでは、川村教授をモデレーターに、札幌でIPOを控えた3社の経営者が「成功の秘訣」をテーマにリアルな対話を展開し、学生からの質問も交えた熱気あるディスカッションとなりました。
全体を通して、研究発表からパネルディスカッションまで、内容豊富であっという間の3時間半でした。多くの方にご参加いただき、誠にありがとうございました。次回は冬の開催を予定しており、さらに多くの皆様に楽しんでいただけるイベントを目指して、企画運営に努めてまいります。またのご参加を心よりお待ちしております。
研究所代表・川村秀憲教授のコメント
2年前のChatGPTの登場時も驚きましたが、最近のAIの技術進歩は目を見張るものがあります。ChatGPTは言語生成は上手なものの、推論、論理的思考が弱いといわれていました。しかし、ここにきて登場したo1というバージョンは深い推論、論理的思考を行うことができます。
数学オリンピックでも全米上位500位以内、東大理Ⅱの数学も合格レベルの能力であり、理数系の博士号を持った人と同等レベルの能力を持つといわれています。この先のAIの進歩も加速していくでしょう。そういうなかで、我々がAIをどう扱っていくのか、どうビジネスや教育に生かしていくのかが深く問われる時代となってきました。
イベント当日には、ニッセイコム様、北海道銀行様にもAI活用の事例をご紹介いただき、参加者の皆様方と新しいAI時代の意味について議論でき、有意義な時間でした。
また、AIベンチャー、北大発ベンチャーであるインターパークの舩越社長、AWLの北出社長、調和技研の中村社長とともにIPOを目指したスタートアップの苦労や活躍についてもお話を聞くことができました。
参加者皆様方のおかげで調和系工学研究室を核とした産学官の交流イベントとして大いに盛り上がったのではないかと思います。この交流を通して皆様方と新しいプロジェクトやビジネス、研究などを行ってまいりたいと思いますので引き続き応援ご参加よろしくお願いいたします。